紙飛行機の日常
青梅に住まう変人、「田口 鵤(イカルガ)」の日常を描くBlog。携帯はURLに?m付で。
[小説]ダウン・ツ・ヘヴン
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森博嗣先生の根本とも言われる、戦闘機乗りのストーリー"スカイクロラ"シリーズ最新作。戦闘機乗りの、複雑で純粋な心理を描いたストーリーです。今回も雰囲気に呑まれてグイグイ読まされてしまったなぁ(笑)英語で書くと「Down to Heaven」。天国へ堕ちる、かぁー。このシリーズらしい、良い表現だと思いました。空に生きる彼らにとって、空にいる時が普通であって、地面に立っている、という状態なんです。
そして期待の今回の表装は、銀色の雲の中ってイメージかな?青空、夕焼と来て、暗雲の合間、でした。予想の夜景(黒)は外れ(笑)
さて、以下ネタばれってほどじゃないと思うけど内容を語ってますんで、まっさらの状態で読みたい!って人は読まないで下さいねー。
さて、今作の主人公も前作に続いて、永遠に生きるキルドレの戦闘機乗り、草薙水素(クサナギスイト)。今作も含めて時間軸は
ナ・バ・テア→ダウン・ツ・ヘヴン→スカイ・クロラ
になるかな?個人的意見では、ナ・バ・テアは先に読んだ方が色々楽しいかも。スカイ・クロラは結構暗いしね…(まぁ全体的に暗いけど)。
にしても、相変わらず心理描写が凄いですな。複雑で純粋という心理こそ、最も人間らしい心理なのかな、なんて。頭では理解できても心では納得いかない、草薙の心理が非常に共感を得られました。
今回の個人的名文は、
「子供はみんな、空を飛ぶ夢を見るのだ。
飛べるようになるまで、
あるいは、
飛べないと諦めるまで。」
(森博嗣"ダウン・ツ・ヘヴン"P235より)
大人になる、とはどういうことなのか。いや、子供でなくなる、かだな。その答えがここに集束してるように感じました。夢を追うのを諦めた時、人は純粋で素直な子供から、汚く醜い大人になってしまうのかもしれない。俺は果たしていつまで子供でいられるかな?…ヨボヨボのじいちゃんになるまで、夢を追い続けられる子供でいたいものです。
以下は完全に蛇足だと思って書きますので、読むなら適当に流してください。まぁ、チラシの裏だ(笑)
本文中で幾度となく草薙が空に飛ぶ理由を挙げているんですが、コレが非常に自身の思うことにダブります。草薙水素は空で戦っている瞬間こそ、生きていると実感する。快感を感じる。死ぬことなど関係なく、むしろその戦いで死ぬことを望んでいる。…俺にとってもコレが理想の生き方、だと思っています。分かりやすく言うと「自身の好きなことをやって、それに命をかけて死にたい」と言うことです。なんつーか、我ながら危険な思想だなとは思ってますがしょうがないじゃないか、こうなんだから(笑)ってか俺が自己犠牲を好むのは、ひょっとしてこのせいなのかなぁ?なんて分析してみたり。まぁ蛇足でした(笑)
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